基本的な介護スキルで看取り介護はできる?

看取り介護といっても、看取りに関わるケアとなると医療となり、医師や看護師の領域になりがちです。かといって、医療的介入を行ったところで施設に入っている高齢者の場合、最期を変えられることは難しいのが現実ではないでしょうか。

そこで大切になってくるのが、いかに最期の時間を充実させて過ごしてもらうか、ではないでしょうか。看取り介護では押さえておくべき大切な要素があります。それは、本人の希望に沿った最期になるべく近づけること、家族や身近な友人などとの関係性を保持する、心穏やかな環境に整える、です。

看取り介護もケアの中心は介護で、介護の基本的な知識や技術が活かされることに違いはありません。しかし、その中でも看取り介護で大切なスキルがあります。

まずは、利用者の気持ちや言葉を上手に受け流すスキル。これは、自分のためではなく利用者のためです。辛い気持ちを受け止めて一緒に辛い気持ちになることも大切なのですが、そのままでは2人とも気分が沈んだまま時が止まってしまいます。気持ちを受け止めつつ、上手に話を違う方向へ持っていき少しでも話題を明るい方へ持っていくスキルが求められます。

ひとつひとつの介護に関わる利用者への環境を高めるスキルも求められてきます。普段はあまり気にならなかったオムツが当たる部分のちょっとした皮膚の擦れやオムツ交換時の匂いなど、ターミナル期を迎えている利用者の立場に立つと少し軽減できないかな、という気持ちになるのでは。そうすることで少しづつ介護のスキルアップも目指せますし、その気持ちこそが介護者としての財産となっていくのではないでしょうか。