ターミナルケアと看取り介護の違い

人生の最期は穏やかに過ごしたいという人が増えています。高齢化社会となり、高齢者の人口が増えていますが、どの高齢者も穏やかな最期を迎えたいと考えているようです。

最近、看取り介護やターミナルケアなどという言葉をよく耳にするようになってきました。看取り介護というのは、自宅や介護施設で人生の最期の時を迎える人に対して行う介助や介護のことです。

一方、ターミナルケアは医療現場(病院)で病気などが原因で死期が迫ってきている人に対して行う医療中心のケアのことを言います。終末期医療と言われるのと同じです。緩和ケアというのは、患者さんの身体的、精神的苦痛を和らげるための治療で、病気の治療を並行して行います。ターミナルケアは緩和ケアとほぼ同じと考えて良いでしょう。

看取り介護やターミナルケアという言葉が出てきたのは、私たちの「死」の意識が変わってきたことも考えられます。日本は、国民皆保険制度という素晴らしい制度があるため、少しの負担で高度な医療が受けられるようになっています。そのため、弱ってしまい食べ物も食べられなくなった場合でも、胃ろうや点滴で延命治療が行われることが多々ありました。医療の力でいつまでも生きたいという意志は尊重されても良いのですが、最近は延命治療を望まず、自然な形で死を迎えたいと考える人が増えてきているのです。

こういったことから、看取り介護やターミナルケアを行う施設が注目されるようになり、需要が高まってきています。今後は誰もが希望したところで穏やかな最期を迎えられるようになるのが理想でしょう。